数字で見る長期投資複利・インフレ・コストの基礎知識

小さな差は、長い時間をかけて大きくなる。

リスクとリターンの関係を正しく理解する|「リスク」は危険ではない

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「投資管理」と書かれた4つの木製ブロック

01「リスク」という言葉が持つ、誤解されやすいイメージ

日常生活で「リスク」という言葉を使うとき、多くの場合は「危険」や「避けるべきもの」というイメージで使われます。しかし、投資の世界で使われるリスクは、少し異なる意味を持っています。

投資におけるリスクの意味を正しく理解しておくことは、商品を選ぶときや、運用を続けるときに、冷静な判断をするための土台になります。

本記事では、リスクとリターンの基本的な関係を、仮定の数字を使って整理します。示す数字は、仕組みを説明するための仮定であり、将来の運用成果を示すものではありません。

02投資におけるリスクの意味

リスクは「結果の不確実さ」を指す

投資におけるリスクとは、将来の結果が、期待していた水準から上下にぶれる可能性、つまり不確実さの大きさを指します。損をする可能性だけでなく、得をする可能性のぶれも含まれます。

「値動きの幅」として捉える

リスクは、価格の値動きの幅として捉えられることが一般的です。値動きが大きい商品はリスクが大きく、値動きが比較的小さい商品はリスクが小さいと考えられます。

03リスクとリターンの一般的な関係

大きなリターンを期待するほど、値動きの幅も大きくなる傾向

一般に、大きなリターンが期待できる商品ほど、値動きの幅も大きくなる傾向があると言われます。リスクを取ることに対する見返りとして、リターンが期待されるという関係です。

リスクが小さくても、リターンが保証されるわけではない

値動きが小さい商品は、一般に期待できるリターンも小さくなる傾向があります。また、リスクが小さいからといって、元本やリターンが保証されるわけではありません。

04数字で見る下落と回復(仮定の例)

下落した資産を元に戻すために必要な上昇率

評価額が下落した場合、元の水準に戻すために必要な上昇率は、下落率より大きくなります。10%下落した場合は約11.1%、20%下落した場合は25%の上昇が必要です。

下落が大きいほど、回復に必要な上昇率は急に大きくなる

30%下落した場合は約42.9%、50%下落した場合は100%の上昇が必要になります。値動きの幅が大きいことは、下落から回復するまでの道のりが長くなる可能性を意味します。

05リスクの種類を知っておく

価格変動リスクと為替変動リスク

価格変動リスクは、株式や債券などの価格が変動して、評価額が上下するリスクです。外貨建ての商品では、為替レートの変動によって、円に換算した評価額が変わる為替変動リスクもあります。

信用リスクと流動性リスク

発行体や取引先の経営状況が悪化して、約束された支払いが行われない可能性を、信用リスクと呼びます。また、売りたいときにすぐに売れない可能性を、流動性リスクと呼びます。

06リスクの許容度を考える

資金の性格と期間から考える

運用に回す資金が、いつまで使わないお金なのかによって、取れるリスクの大きさは変わります。使う時期が近い資金ほど、値動きの影響を受けにくい形で考える必要があります。

気持ちの面での許容度を確認する

資金面の余裕だけでなく、値動きに対して気持ちの面で耐えられるかどうかも重要です。評価額が下がったときに、不安で眠れなくなるようでは、続けることが難しくなります。

07リスクを和らげる工夫

資産を分けて持つ

一つの資産に集中させず、複数の資産や地域に分けて持つことで、特定の値動きの影響を和らげる考え方があります。ただし、分けて持てば損失を完全に避けられるわけではありません。

投資するタイミングを分ける

一度にまとめて投資するのではなく、時期を分けて投資することで、購入時期による影響を和らげる考え方もあります。いずれの方法も、リスクを減らす工夫であり、なくすものではありません。

08リスクを取らないことにも、別のリスクがある

物価の上昇による購買力の低下

値動きを避けて、運用をしない選択をした場合でも、物価が上昇すれば、同じ金額で買えるものが減る可能性があります。リスクを取らないことにも、別の種類のリスクがあります。

資産が成長する機会を得にくい

運用をしない場合、資産が成長する機会を得にくくなります。ただし、その代わりに、値動きによる損失の可能性も避けられます。どちらを優先するかは、自分の目的次第です。

09リターンの数字を読むときの注意

過去の成績は将来を保証しない

過去に高い成績を上げた商品であっても、将来も同じ成果が続くとは限りません。過去の成績は参考情報の一つとして受け止め、将来を約束するものとして扱わないことが大切です。

平均の数字だけでなく値動きの幅も見る

平均して年何%といった数字だけでなく、年ごとにどの程度ぶれたのかも確認します。同じ平均でも、値動きの幅が大きければ、実際に経験する道のりは大きく異なります。

10まとめ|リスクは「避けるもの」ではなく「理解して付き合うもの」

投資におけるリスクは、結果の不確実さや値動きの幅を指す言葉です。一般に、大きなリターンを期待するほど、値動きの幅も大きくなる傾向があり、下落からの回復には、下落率より大きな上昇率が必要になります。

リスクを正しく理解し、自分の資金の性格や気持ちの許容度に合った範囲で付き合うことが、長期の運用を続けるための土台になります。

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